Double Strings  おやじ本舗





2007/6/2  のん


1年前の5月の連休に、キムラさんの借りているギター工房が全焼した。
途方にくれながらも、何かできることはないかと
7月1日に「きむらえいど」ライブを行った。
そう…ここ、のんでのこと。
あの時、まさか1年後に同じくエイドライブを開くなんて、思ってもみなかった。
もうこんなことは一生ないと思っていたんだけれど…

1年前のきむらえいどの時、やなぎさんは酔っ払いながら私に言った。
「ねえ、さくらさん。僕が困った時もエイドしてくれる?」って。
架空の話として聞き流しながらも、「うんうん!」と答えていた私。

あの日の朝、7時ごろだっただろうか。電話が鳴った。
早朝の電話はどこか胸騒ぎがする。
案の定、その予感はあたった。
「今、火が消えたとこなんだ。これから現場検証…」と言うやなぎさんの声を遠くに聞いた。

自宅が全焼してしまった!?
まさに、身ひとつで真夜中に飛び出したという状況だった。
なんでよ!この前キムラさんの工房が焼けたばっかりやんか…!
頭の中は真っ白だった。
でも、何かしなきゃ…今回は切り替わるのが早かった。
奇しくも きむらえいどの時、♪誰でもキムラになれる♪とカンチが歌っていたのが、現実のものとなった。

幸いなことに、私達には1年前に経験したノウハウがある。
それをベースに、今回はやなぎさんが全国ツアーをしているので
各地で思い思いにライブを開催してもらい
それをやなぎエイドに代えることにした。
独さんが付けてくれた名前は「FLY,DOVE,FLY ! !」
バッジも、素敵なポスターも作ってくれた。
センスのいいスタートが切れたことを、独さんに感謝したい。




司会は
カンチが担当してくれることになった。
まずはご挨拶から…
のんには魔物が棲んでいる。
でも、その魔物はとても気さくで優しい。
私はいつもその優しさに甘えてしまう。
今回も京都でのライブ開催場所は迷わず、のんと決めた。

きむらえいどの時と同じく
ツワモノ揃いのエントリーとなった。
メンバーが決まるにつれて
私はライブへの期待が膨らんで
エイドであることを忘れてしまいそうだった。(笑)


最初は
やま。ちゃんから。
ギターを2本用意しているから…と言っているのに
ギターを抱えて現れた。
はて?と思い気や、それは例のワイゼンボーン。
好きなギターを弾いているやま。ちゃんは本当に楽しそうやね。
そう…楽しむためにやってきている。
そんな気持ちが伝わってきて、最初からわくわく。(^O^)

こういうライブならでは…早くも応援が入る。







二番手の予定だった
しげるさん
生憎都合がつかず来れなくなった。
でも、パンはたくさん用意してくれはった。
あっという間に完売。
大変なときに、お〜きに!

で、三線を抱えた
真栄城さんすーちゃんが飛び入り。
どちらも結風(ゆいかじ)仲間。
遠いところを来てくれて
おかげで、結風とのんのパワーが合体した。(笑)







インザバンブーの二人。
シノラーのギターとツッキーのノコギリ&ピアニカ。
ノコギリがかなりの注目を集めていた。
のん初顔見世だったけれど、とても素直な二人だから
すぐさま馴染んでいた。
この箱に合ったキャラだと思う。





次はのんの常連、
脇秀樹さんとベースのかっちゃん
脇さんはサウスポーで、丁寧なギターを。
直前まで公園で音あわせをして、やる気満々でエントリー。
練習の成果を見せて、しみじみと聴かせてくれた。






ご当家のんパパは「はい〜はい!」と
ココナッツの実をスプーンで叩きながら登場。
かっちゃんは引き続きベースを
ことみちゃんが鈴を担当。
「僕はパフォーマーです」…その言葉の通り
あの場に立つと本当に人が変ったようになるのんパパは
ギター暦1年の1コード伴奏もなんのその。
ギターテクニック云々なんて、ぶっ飛ばして歌い
あのひみつキングのメンバーをも唸らせた。
ここでしか見られない、のんパパの冴えたパフォーマンスに
みんな、なぎ倒された。



オークションタイム

ここで一息、オークションタイム。
ライブには参加できないけれど、という人からも
カセットテープや食器、人形などの品物が
お店のほうにすでに届いていた。
出演者もいろいろ持参。
家の片付けをしていた友人のところから出た
スピーカーやレコードプレーヤー。
LPレコードやギター弦。
お宝の昔の自分のカセットテープ。
聞いてもさっぱりわからない、エフェクタの数々。
かわいらしいワンピースにアクセサリー、バック。
食器に、入浴剤。
極め付けは、アダルトビデオ…!\(◎o◎)/!
(もちろん、ちゃんとした!ものですよ!)
時間内にさばき切れなくて
ライブ終了後に再度オークションを開くほどの盛況ぶり。
楽しかった〜!(^O^)





後半はお待ちかね、
ひみつキングの登場。
のんの店頭、歴史ある曼殊院通りにて「お着替え」の3人。(笑)
テーマは「海賊」
どういうわけか、胸に風船を入れて
決まり所では「だっちゅ〜の」って両腕を締める。(笑)
ギターは船長スタイルで、片目、片手、片足状態。
弾かないから、と最初から4弦を張ってないところが
ぶっ飛んでいる。
ベースの胸もパンパンに膨らんでいる。
ちなみに2人とも楽器の手元が全然見えないのに
いかした演奏!(笑)
ドラムの有馬さんは、タンクトップに赤くてきわど〜いパンツ姿。
体はむっちり・ス〜ス〜しているのに
頭は海賊ゲームのダンボールを被り、暑そう。(笑)

あの絵を描くだけでも、あのモノを作るだけでも
どれほど時間が要っただろうか。
いやはや、15分に手抜きしないその姿勢が
私は大好き!(^O^)









ワケも知らされずに
サメの被り物をするように言われたのは、
サト
「あ!サメがいるぞ!」って指さされていた。(笑)

ずっとニコニコと私の手伝いをしてくれたサト。
ありがとね〜!\(^o^)/




さて、ひみつキングの後の過酷な時間を受け持ったのは
黒丸さん
早くからスナフさんを通して、手伝いの声を上げてくれてはった。
初めて聞いた黒丸さんの歌はとてもブルージー。
ギターも上手い。(byカンチ)
気心しれたスナフさんがギターで添う。


お馴染み
スナフさん
この人のギターは本当に軽やかで
肘から先を軽く、まるで撫でるように弦に触れているのに
音がバランスよく綺麗に出る。
その上、崩れることのない抜群のリズム感。
「あれを歌ってほしいな」とリクエストした曲も入れてくれた。
独特の乾いた声が心地いい。
近い内に沖縄に行かれるんだそうな。
また曲ができたらいいね。





最後は
カンチ&京ねぐらーず
京ねぐらーず…
スナフさんとやま。ちゃんがうちに遊びに来て
ギターを弾きまくって遊んでいた時
京都をねぐらにした、こんなメンバーでの
ライブができたら面白いねと話したことが、名前の由来。
そこにキムラさんを交えてのバンド編成。
飛び入りでノコギリも加わった。
最後はいつものように、カンチのアドリブが炸裂。
歪んだ愛情でやなぎさんを盛り上げる。(笑)
リズムがロックだったので
とても乗りがよく、楽しく仕上がった。


去年この場でお世話になった
キムラさん
最後にそのお礼と近況報告を…
けじめがつけられてよかったね。
何より、ちゃんと一歩を踏み出していることが
あの時、キムラさんのために集ったみんなにとっても
嬉しいことだと思う。
改めて、きむらえいどをやってよかったと思った。
やなぎさんにもそんな日が来ますように。


ライブが始まってからも、次々とお客さんが増えた。
30年ぶりに会う友人も。
HPをずっと見てくれていたらしい。
他にも、思わぬ人から「いつも見てるよ」と声をかけてもらい
「HPは止めたらアカン」と言われた。
私の知らないところで何かが動いている。
見えないところで繋がっている。
発信していれば、そして、体を動かせば
そこに新しい人の繋がりができるんやなあ、とつくづく感じた。




助けられる人は文字通り幸せだと思う。
けれど、助けている人のほうが更に幸せなのかもしれない。
何より、助けるだけの余裕があるということだから。
その余裕を少し分けあえば、どちらも幸せになれる。
大層なものはいらない。
一番大事なのは「気持ち」だ。
それがわかっている人たちが集まったら
その時点でもう、エイドは半分成功しているんじゃないかな。

始まりは不幸なことだった。
でもそれを幸せに変える力が、人にはある。
まずは自分が楽しいと思っていること、それが一番大事だし
本当に楽しかったら、みんなにも「楽しいよ〜!」って誘うことができる。
集まれば、尚楽しい。
「FLY,DOVE,FLY ! !」はそんなライブになった。
実質、やなぎさんの役にどれほどたてるかはわからない。
でも、それをネタにして、人が幸せを感じたんだから
それでいいやん…ね、やなぎさん。(笑)

自分の周りに張りめぐらされた糸は、もうどこが始まりなのかわからないほど
複雑に、そして時に単純に広がり絡まっている。
それはつまり、それだけの人に私が囲まれ、助けられているということに他ならない。

繋がっていることが大事。
エイドライブをして、改めて思う。
みなさんに感謝。
私の周りにいる人たちに感謝。

1人では生きられないから、助けてくださいね。
私もできることはしたいと思っています。
1人では苦しくても、人が居てくれると救われることがある。
そんな繋がりが広がればいい。
「またやりたい」…とは不謹慎で少々言い難いけれど
普通の顔に戻って、ゴロゴロとバックを転がしながら
最終電車に駆け込むひみつキングの面々を見送りながら
別の機会でまた繋がれたらいいなあと思った。
たぶん、みんなも同じ気持ちじゃないかな…(^-^)

たくさんの関わってくれた人たちに、感謝します。
本当にありがとう!
この熱気、きっとやなぎさんにも届くでしょう…

そして…くれぐれも
『火の用心!』でお願いしますぞ。
パンパン!(^-^)//☆




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